ビットコインと税金

ビットコインその他の仮想通貨と税金のこと、その周辺のいろんなことを、わかりやすく伝えていきます。

ビットコインを売ったときの税務上の論点

ビットコインの税務上の論点を考えるには、税の種類ごとに、またビットコインが動く原因も分けて、細かく検討する必要がある、ということを、以前、お伝えしました。

bitcointax.hatenablog.com

 税の種類やビットコインが動く原因を細かく分けて考えるにしても、いきなり全部の場面を想像すると頭が混乱しますから、身近なところから考えましょう。

なお、ここでは国税に限って考えることにします。また、実際の取引に関する具体的な計算をするときなどは、税理士や会計士の方にご相談ください。

ビットコインを売るとかかる税金

まず気になるのは、「ビットコインを売ると税金がかかるのか?」ということでしょう。

ビットコインを売る」ときに考えなければならない税金は、所得税法人税と、消費税ですね。ビットコインを売ったら儲けたり損したりするので、所得税法人税のことを考えることになります。また、事業者がビットコインを売るときには、消費税がかかるかどうかで、売る値段が変わってくるでしょう。

ビットコインを売る、とは

これを考えるには、その前に「ビットコインを売る」とは何か?を考える必要があります。

「そんなの、ビットコインを誰かに渡してお金をもらうだけじゃないか」と思うかもしれません。最初はそれだけでいいです。あとから複雑になってきますので(笑)

ビットコインを売る、というのは、「持っていたビットコインを手放して誰かに渡し、その誰かからお金(またはお金以外のもの)を受け取る」ということです。したがって、売る前にはそのビットコインを持っている必要があり、何らかの方法でそのビットコインを手に入れていることになります。また、何かを売って手に入れるのは、一般的にはお金だと思いますが、お金以外の場合もあり得るでしょう。

今回は、単純に、ビットコインをお金で買って、ビットコインを売ってお金をもらうケースで考えます。

所得税法人税のこと

では、所得税法人税のことを考えてみましょう。

所得税法人税は、個人や会社が活動した結果の儲けに対してかかります。儲けはいろんな活動の結果として計算されるものですが、ここでは簡単な例として、ビットコインを売ったときのことだけを考えます。例えば、1BTCを15万円で売ったとしましょう。

ビットコインを売る、ということは、その前に何らかの方法でビットコインを手に入れているはずです。ここでは1BTCを10万円で買っていたとしましょう。

そうすると、儲けは5万円です。簡単ですね。

次に、何回かに分けて買っていたビットコインをいちどに売ったときのことを考えてみましょう。先ほどの例で、0.4BTCを8万円で、0.6BTCを9万円で買っていたとします。これをすべて売れば、0.4BTC×8万円+0.6BTC×9万円で、8.6万円を15万円で売ったことになるので、儲けは6.4万円です。

では、その人が、買ったビットコインのうち0.7BTCだけ売ったら、どんな計算になるでしょうか?先に買ったものから売ったと考えるでしょうか?それとも後に買ったものから?又は、買った金額を平均しておく?先入先出法、後入先出法、総平均法、移動平均法、、、

これは単純なケースですが、年にたくさんの回数の売買をする人は、どうすればいいでしょうか?公式な見解は発表されておらず、決まった答えはありません。

所得税の所得区分

法人税にはない、所得税に特有の問題として、儲けの性質によって計算の仕方が違うという「所得分類」のことも考える必要があります。モノを売ったときの「譲渡所得」か、種類がはっきりしない「雑所得」か、それによって計算の仕方が違います。ビットコインがモノか通貨かそれ以外か、というのがはっきりすれば、どちらに当たるのかはっきりすると思うのですが、これもまだ公式な見解は発表されておらず、決まった答えはありません。

まとめ

今回は、ビットコインを売ったときの儲けをどのように計算するか、その種類、所得の分類は何か、考えてみました。公式な見解は発表されていませんが、似たような例として、日本円とドルやユーロなどの外貨との交換をしたときの取り扱いが参考になるかもしれません。当面は、似たような例にあてはめて見ながら、儲けの計算や、所得の分類を考えるしかないように思います。

なお、具体的な計算や申告のことは、税理士や会計士の方にご相談ください。